ブラック企業で働いた新卒の話part2

今就職活動中の君!!

 

 

会社選びは慎重にねっ!!

でないとお兄ちゃんみたいにブラック企業に働くことになっちゃうよ!!

 

 

 

先日前職の中古車営業の話を書いていたらなんか

楽しくなってきたので今日も書きます。

 

どうせ誰も見てないだろうしね

 

 

 

<続き>

初契約を決めた後、僕は営業という仕事がやっぱり自分に向いている!!

 

俺は天才だ!!

 

と、少し浮かれていた。

 

翌日からも店長には商談を振られ、自信満々で営業活動に勤しんだ。

 

同期がまだ仕事を振られていないのに僕だけが仕事を振られている。

本当に嬉しかった。

嬉しいというより優越感に浸っていた。

 

 

ちなみにこの頃になると大体この会社の日々の営業活動の概要がわかってきた。

大体1日の流れはこんな感じ↓

 

8:30  出勤

   開店準備+スケジュール調整 

9:30

   ミーティング+朝礼

10:00  開店

    商談がなければ雑務+事務

20:00  閉店

     ミーティング+終礼

21:00  退社

 

常にこのスケジュールではないが大体こんな感じだ。

ちなみに昼休みは各個人好きな時間に取っている。

 

仕事内容としては昔ながらの営業マンみたいに1件1件お客さんの家を訪問して顧客をつかんでいくのではなく、コンタクトセンターがお客様とのアポイントを取り付け、それを各支店に割り振っていくという仕組み。

 

最近ネットサーフィンをしているとバナーに

 

 

「え、私の車ってこんなに高く売れるの?」

とか

「10年10万キロ乗った車が買取価格100万円」

とか

「あなたの愛車の値段、いくらか知りたくないですか?」

 

 

みたいな広告をよく見ると思うんですが、その広告に興味を示して登録をした瞬間何時だろうがお構いなくコンタクトセンターの人間がアポイントを取り付ける。

これが何社からも電話がかかってくるので大抵このサイトに登録した人は後悔します。だからお客さんの家に行った瞬間大抵のお客さんは会社にいい印象を抱いていません。

 

そして、各支店の店長が自店の営業マンにアポイントを振り分ける。

もちろん数字のいい営業マンから優先的に振り分けます。

 

なので

この会社でいい成績を上げるためにはこのアポイントを多くつかむことが一番の近道になります。さらに成績のいい店舗には質の高いアポイントが数多く振られるのでより有利になります。よって店長に気に入られることが最も効率よく自分の給料を上げる近道になるのです。

 

その他にも来店したお客様の対応で成績を上げることもできますが数少ないので確定したアポイントに行く方が効率的です。

 

 

なのでこの会社の営業マンの主な仕事は

・車の買取

・車の販売

・顧客の管理

・その他事務

の4つです。

 

新人の主な仕事は後述しますが主に車の買取です。なぜかというと、1言でいえば簡単だからです。

仮に自分の車の査定してみて見積もりを3社に依頼したとすると、当然査定額が一番高いところに売りますよね。そこに人はほぼほぼの場合関係しないからです。担当営業マンが新人だろうがベテランだろうが金さえ手に入ればいいのですから。

 

車の販売の場合は人と会社を吟味しないといけないので新人の場合は任せてもらえません。会社の信用にかかわるので。プラスで車の販売の方が利益率が高いので尚更新人は任せてもらえません。

 

 

 

僕が所属する店舗は全国でもトップクラスの売上を誇る店舗でした。擁する営業マンも軒並みトップクラスの営業成績を誇る営業マンでした。さらにここの店長がとてつもない人で、営業マン時代は常にトップクラスの成績を収め、店長になってからは全国でも最下位をレベルだった店舗を4年でトップクラスまでのし上げた凄腕店長でした。店長にもランクがあり最高がSSランク、最低がCランクなのですがここの店長は3人しかいないSSランク店長でした。

 

僕はこの店長が大好きでした。大好きっていうのも失礼ですがどんなに苦しい状況でも笑っていて末端の部下ともコミュニケーションを毎日忘れずにしてくれる素晴らしい方でした。何より僕が人生で初めて出会った心の底から尊敬できる人でした。1か月一緒に働いただけで「この人の為に頑張りたい!!」と思わせる人でした。

 

 

その店長から2週間程経った時1つの商談に行くよう指示を受けました。

買取の商談だったのですが査定車が今まで体験したことのないものでした。いわゆる「激アツ案件」と呼ばれるものだったのです。

これまでに買取の商談は何度か経験していたのですが、新人のためそれまでは買い取っても大して利益の出ないような車両(ボロ車や軽自動車)だったのですが、初めて高価格車の査定案件でした。

高価格の車両の場合、大きな利益が見込めるのでそれまでは先輩方が担当していたのですがたまたまその時間帯先輩方が全員で払っていた為僕が担当することになりました。ちなみに車種はトヨタランドクルーザーで、中古車業界というのは車を買い取るとオークション会場という場所に車を出品しその落札価格と買取価格との差額で基本的に儲けているのですがランドクルーザーというのはこのオークション会場での需要が常に高いため大きな利益が見込める車両なんです。

 

店長に

「こんなの僕が担当しても構わないんですか?」

と聞いてしまいました。

「いや?」

と聞かれ(ちなみに店長の口癖)

「いやいや滅相も無いです!」

とおきまりのやり取りを交わし、そのまま資料を受け取りアポイント先に向かいました。

到着10分ほど前に店長から電話がかかってきて

「もう着いた?」

「いや、あと10分ほどです」

「敢えてお前にプレッシャーかけてみるけど本日お前の不甲斐ない先輩方が軒並み数日くれて無いからお前のその案件が唯一の頼りです笑」

「マジすか。」

「マジ。」

「めっちゃ緊張します。」

「わかんないことあったらすぐ電話してこい」

「はい!ちなみに店長僕幼稚園の頃から高校までサッカーやっていたんですけど」

「んぁぁ。」

「公式戦のPKで一度も決めたことないです。」

「何が言いたいん?」

「プレッシャーに弱いということです!!」

それを聞くと電話越しでいつものゲラゲラという笑い声が聞こえてきました。

「じゃー、第一関門だな。」

「はい!」

「頑張れ若者よ!!じゃーほどほどに頑張れよ。じゃーな」

「はい!!頑張ります!!」

と電話を切り、アポ先に向かいました。おのれ店長、なんでわざわざプレッシャーをかける・・・。心臓の鼓動が高鳴るのが胸に手を当てなくてもわかりました。

 

アポ先に到着するとランドクルーザーの周りを4人ほどの黒づくめの人間が取り囲んでいました。その瞬間、胸の鼓動だけでなく胃がキリキリするのを感じました。

「でたぁ〜〜。。。」

先輩から話には聞いていたのですが『あいみつ』と呼ばれるものでした。一つの車に何社もの会社が同時刻に呼ばれそこで一番高い査定額を出した会社が契約できるというものでした。

一見難しいものではなさそうですがこれが中々営業マンにとっては嫌なものなんです。

それはこの仕事の本質に関わるものなのですが、僕たち中古車の営業マンにとって車の買取に於いて求められていることは『車を安く買い取ること』です。当たり前ですが仮にオークションで100万円で取引される車を100万円で買い取ったところで利益はありません。極論で話をすれば僕に求められていることはこの車を1円で仕入れることなんです。そのために悪く言えば僕たちはお客様を『騙す』ことをしないといけなんです。本当は100万円で仕入れられる車を

「あなたの車1円ですよー」

と言って信じ込ませないといけないんです。詐欺ですね。

まあ全ての営業マンがそういうことをするわけではないですが、商売の本質が駆け引きである以上どうしようもないことです。

 

 

このあいみつのことを先輩からは色々聞いていましたが、数日前にこの店舗のトップ営業マンの先輩とこんなやり取りをしていました。↓

 

 

「あいみつに遭遇したらなぁ〜、まずは他社を蹴散らさなあかんねん。だってそらそうやろ。俺たちは車を安く仕入れなければあかん。でも取引相手は車を高く売却したい。これだけ聞くと俺たちの商売って需要なさそうな感じやけどな。他社がいなければ口八丁手八丁でどうにでもなるけど他社がいる場合は大体は『競り』になる。こうなったら終いやねん。どう頑張っても客は金のことしか頭になくなってしまう。すると会社の優位性と人の優位性がなくなって誰がやっても同じ結果になる。つまり利益は見込みにくくなる。そこで逆転の発想や。あいみつだったら利益とれんのやったらその土台ごと壊してしまえばいいねん。だから他社を蹴散らすんや。」

「蹴散らすって言ってもどうやってやるんですか?」

「俺の場合は他社に素直に帰れってゆうけどな笑

 そしたら案外簡単に帰ってくれるで」

「それは先輩が強面だからでしょう笑

 僕も先輩に道端で絡まれたら逃げますもん」

「誰が強面や。どっからどう見てもベィビィフェイスやろが!」

「すんません笑

 でも俺その方法できそうにないですよ。今まで人に媚びへつらってきた人生なんで。争い事は嫌いです。いっそこの世から争い事なんて無くなればいいのにって常日頃思っています。」

「嘘つけ!」

「すんません」

「まあ俺はあんませんけどな。方法はいっぱいあんで。」

「ほうほう。」

「ダジャレ?」

「続けてください。」

「一つは、結託すること。つまり客と取引するんやなくて他社と取引すんねん。大体この地区で営業してる他社の営業マンて3か月もすれば顔なじみになんねん。だから今回はうちに譲ってくれませんかーって言って他社に安目に値段差してもらうねん。そしてうちがその少し上で買い取る。」

「そらまた。こすいですね。」

「まあこのやり方はリスクがあるけどな。他社に裏切られることもあるし、そもそもお客さんが値段を気に入らなかったらお終いや。それに何よりめんどいねん。だから俺はこのやり方はせん。」

「確かにそうですね。」

「二つ目はいわゆる騙し討ちや。」

「騙し討ち?」

「予定の時刻より先に行っちゃうねん。そして先に査定してその場で値段さしてその値段で納得してもらって他社が来る前に先に契約しちゃうってやつ。」

「そらまたトリッキーな。」

「でももちろんこれにもリスクがある。そもそも一括見積もりした客は全部の値段聞くまで決めないって決めてる場合が多いから相当気に入られなければ契約してくれへん。」

「まあそれはそうですよね。僕でもそうします。」

「しかも失敗すれば自分の値段が基準にされてしまって次に来る会社を逆に優位にしてしまう。あとで値段引き上げてやっぱりウチこんくらい出せますーゆうても虫のええ話やろ。俺でもそんな奴とは契約せえへんわ。」

「確かに。」

「だから、俺は他社を蹴散らすねん。俺はこれが一番効率的だと思う。仮に失敗してもどうせあいみつになったところで大した利益見込めんのやったらさっさと終わらせてより高利益率の案件に向かうか他の仕事やった方が効率的やろ。」

「先輩って顔に似合わず意外と効率的なんですね。」

「お前どつくで。」

「すいません。でもそれは先輩がいっぱい案件抱えてるからですよね。俺たち新人は精々1日1件くらいしか案件ないし、帰社したところでまだできる仕事も少ないです。精々店前の車を洗車するか店舗の清掃するくらいしかやることないし。それだったら少ない利益でも契約した方がお店のためになると思うんですけど。」

「お前、洗車と清掃も大事なしごとやで。俺なんて1年目はほぼ掃除しかさせてもらえへんかったで。これだからゆとりは成長せえへんのや。ああ、嘆かわしい。」

「いや、もちろんそれも大事な仕事のうちだってことはわかってますけど、やっぱり営業マンたるもの数字を追いたいじゃないですか。」

「生意気な!俺からしたらお前なんてまだ営業の”エ”の字もわかってへんわ。一端の口聞きたいんやったら自分で数字作れるようになってからいえや。」

「はい。すいません。」

「まあ、気持ちはわかるけどな。今は会社の状況的にお前らみたいな新人も使わざるをえんからな。本当、幸せもんやでお前ら。」

「ありがとうございます。」

「しかもお前この店舗の店長の凄さわかってないと思うけどな、あの人ほんまはお前みたいなペーペーが気軽に口聞いていい相手じゃないからな。俺から見てもまだまだ雲の上の存在やぞ。今でもお世話になりっぱなしや。」

「ただの面白いおじさんかと思ってました笑」

「アホ。あの人の凄さはまだお前らみたいなモンにはわからへんのやろな。ああ、店長かわいそ。」

 

 

 

なんて他愛もない会話を食事中にしていたのですがそれをこのとき思い出して、実際その場に遭遇してみるととてつもない緊張でした。しかも店長のプレッシャー付き。ああ、神よ。どうして僕にこんな試練を与えるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と今回はここら辺にしておこう。

 

続きは次回また暇なときに書きましょう。